トランス脂肪酸について
時々、マスコミでトランス脂肪酸が取り上げられていることもあり、
弊社にも消費者の方からトランス脂肪酸についてご質問を頂いております。

トランス脂肪酸とは？
トランス脂肪酸とは、マーガリンやショートニングなどの加工油脂や、これらを原料として製造される食品の他、反芻動物の肉の脂肪中に含まれる脂肪酸の一種です。

トランス脂肪酸の作用としては、悪玉コレステロールといわれているLDLコレステロールを増加させ、善玉コレステロールといわれているHDLコレステロールを減少させる働きがあると言われています。また大量に摂取することで、動脈硬化などによる心臓疾患のリスクを高めるとの報告もあります。

脂肪の多い菓子類や食品の食べ過ぎなど偏った食事をしている場合には平均値を大きく上回る摂取量となる可能性がありますが、現時点ではその程度について予断できません。したがって消費者の健康保護の観点から、今後とも国内外の新たな知見を蓄積していくことが必要ですが、トランス脂肪酸のみならず、脂肪のとりすぎ、飽和脂肪酸や食事性コレステロールの多量の摂取も心臓疾患のリスクを高めるため、食生活において脂肪全体の摂取について注意する必要があります。

国際連合食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)の2008年に開催された会合では、現在、WHOではトランス脂肪酸の平均摂取量は最大でも摂取エネルギー量の１％未満と勧告しているが、摂取が高い人々のことを十分には考慮していないので、このレベルを見直す可能性を認めている。このことは、ヒトが食べる食品から、PHVOを出来るだけ排除する必要性があることを示唆している。と報告されました。

米国におけるトランス脂肪酸の一日当たりの摂取量は、積み上げ方式（1994〜1996）の調査によれば、20歳以上の大人で平均約5.8gとなっており、摂取エネルギーに占める割合は2.6％であると推計されました。一方、日本では、同じく積み上げ方式（2007年）の調査で平均約0.7gとなっており、摂取エネルギーに占める割合は0.3％と報告されています。

（参考　内閣府食品安全委員会　トランス脂肪酸について　より）

当社の製品のトランス脂肪酸
当社で使用しているマーガリンやショートニング自体に含まれるトランス脂肪酸は製品に含まれる脂肪酸の１０％未満です。
各製品に含まれるトランス脂肪酸は以下の通りです。

	100ｇあたり	製品１個あたり
パイまんじゅう	0.46ｇ前後	0.15ｇ前後
フレッシュケーキ	1.1ｇ前後	0.36ｇ前後

＊お菓子一個が30ｇ程度ですので1個あたりを約1/3としています。
＊お菓子のトランス酸含有量については、下の表をご参照ください。

1日の摂取量は2ｇ以下とするのが望ましいといわれていますので、
1日で1パックを一人で食べるなどしない限りはこの数値を超えることはないと思われます。

分析値は各メーカーから頂いた平成18年度データの原料に含まれるトランス脂肪酸含有量の最大値を元にした当社計算値となります。そのため、実際の製品に含まれる割合はこの数値以下の場合もあります。 各メーカー最新のデータが届いた場合に更新致します。

＜補足＞
1993年に報告された試験結果によると、油菓子の油脂中に含まれるトランス脂肪酸の含有量は、日本ではほとんどのものが１５％以下で、米国の場合の２０％以上より低い傾向を示したとのことです。これは、日本と米国のマーガリンやショートニングの製造方法が違うため、日本のマーガリンなどのトランス脂肪酸の含有量が少ないためだと考えられています。

弊社で使用している原料に含まれるトランス脂肪酸の含有量も大半が1％〜2％であり、一番高い18％を示す物については、製品に使われる量自体が少なくなっています。

また、トランス脂肪酸の問題は、摂取量と摂取バランスが重要と言われています。諸外国と比較して、日本ではマーガリンやショートニングを多く摂取する食生活をしていないこともあり、1日の摂取量の平均もアメリカ5.8gに対し日本は0.7ｇと低いとのことです。このためわが国では通常の食生活をしている限り、トランス脂肪酸による健康への影響は低いと考えられています。

諸外国の対応としては、デンマークが食品の油脂中のトランス酸含有量を2％までと制限、カナダでは栄養成分表示の対象であるなど、規制する国もありますが、日本では現時点で規制の対象になっていません。

尚、弊社の製品は輸出もされておりますが、日本国内からアメリカに輸出する場合には、含有量のデータが必要になっています。